いきなり難しい質問ですね(笑)。そうですね…、いろいろありますが、一番に浮かんでくるのは、二社目のヘルスケア関連ビジネスを展開する上場ベンチャーの海外子会社を任されたときの経験でしょうか。
まずフィリピン法人にNo.2的立場で、その後、インドネシア法人には現地トップとして赴任したのですが、特にこのインドネシア法人での経験が有意義でしたね。当時業績がかなり悪化しており、現地社員をリストラしなくてはならないと考えられていたような状況で送り込まれたのですが、赴任してすぐに、商品やマーケティング手法が増えすぎて、何をどう売っていくのが良いのかわからなくなっている状況が目に留まりました。
そこで、1か月くらいの間に注力商品を4つに絞り込み。戦略やオペレーションをシンプルにして、想定顧客も明確にしたうえで、集中的にマーケティングを展開したところ、優良顧客に刺さり、赴任初年度から業績が復調し、社員のリストラもしなくて済む状況にもっていくことができました。立て直しの成功経験を積むことができましたし、他にも、現地法人においてはトップなので、広く経営を経験することができたのが良かったですね。
例えば細かいことだと、契約のあり方をどうするかを検討したり、人事評価制度の改革も手がけました。あってないような評価制度で形骸化してしまっていたので、簡単に言うと、業績に連動して給与が大きく変わる仕組みに変更したんです。それによって社員たちが本気になって業務にコミットしてくれるようになったのも大きかったですね。思い出してみると、本当に様々なことをやりましたね。
理由は3つありますね。
1つ目は、伸びそうなマーケットであること、2つ目にはマッチングサービスなので、一社目のマッチングサービスを展開するメガベンチャーでの経験から自信をもって挑めそうだなと思ったこと、3つ目には人の好さですね。
一番人の好さを感じたのはFさん(代表取締役COO 小林)との最終面接なんですけど、実はそれまで鎌倉新書を転職先として検討する中で、鎌倉新書ってサイトの開発が課題なんじゃないかと感じていたんです。サイトの構成も今一つのように思えましたし、それまでに面接いただいた社員の方も営業色の強い方ばかりでしたし(笑)。
そこで、Fさんに開発のことを知りたいと言ったら、すぐにその場に当時の開発のキーパーソンの方を呼んでいただいたんです。ところが話が始まると、その方は開発が何で上手く進まないのかをFさんにストレートに話し始め、Fさんはそれに対して一つ一つ応えるという展開になっていったんです。面接の場なのに(笑)。でも、それを見ていて、なんてフラットな会社なんだろうと思ったんです。
トップも課題を真摯に聞こうとするし、開発のキーパーソンの方も真っ当で意欲を感じたし、こういう人たち、風土なら開発も強くなっていくかなと期待を持てました。自分にとっても「やりやすそうな風土だな」と感じましたね。
また、難しい質問ですね。うーん、1社目のメガベンチャーで3年半ほど営業を担当した後、経営企画部門に移った時ですかね。
当時の経営企画部門のメンバーは皆、自分よりもひと周りくらいくらい上の方々で、コンサル業界出身の方が多かったんです。自分も営業の中では地頭はいける方だと思ってたんですが、彼らとは考え方からトンマナまでかなり差分があって、最初の1年から1年半くらいは彼らを真似よう、そして追い越そうと頑張ったんですが、もともとのケイパビリティが全然違ってて、結局は上手くいきませんでした、
ただ、そこで自分は彼らと同じような路線で勝負するんではなくて、自分の強みである人を動かす力とか、人に協力を得る力とか、そういうところも合わせてやっていけばいいんだと気づけたのは大きかったですね。
鎌倉新書の場合、基本的に人が好い方が多いので、あまり自分の強みを生かすようなシーン、つまり、人で苦労することってあまりないんですよね。
ただ、逆に反省点というか表裏みたいなことに気づいたことがありましたね。
葬祭事業部の部長になって1年目のとき、そのまま手を打たなかったら業績が悪くなることが見えているのに、当時の担当者に任せきってしまって、結局失敗してしまったなんてことがありました。
どれだけ信頼していても、悪化原因となっている部門にはエゴでも良いから直接かかわって改善することが大切なんだと痛感しました。
うーん、実は30代になってから、あまりそういうことは意識したことはないんですよね。ただ、以前から「自分にとって、こういうのは嫌だな」って思っていることはハッキリしていて、「嫌だといえないこと」は嫌なんです(笑)。
でも、鎌倉新書の場合、嫌だといえば、それは何故か聞いてくれるし、それが合理的だと思ってもらったらきちんと議論されるので、そういった環境だとモチベーションが下がるってことがあまりないんですよね。それが過去の勤務先とは大きく違うところですね。Fさんはじめ、経営陣が意識してこういう風土を作ってきてくれているのも分かります。これはずっと維持してほしいですね。
変なことを言うようですが、「良い人であり続けること」ですかね。元来、上の立場の人には強くモノを言えても、立場が下の人にはあまり強く言えないところがあるんです。良い人でありたい、常にみんなに笑っていてほしいなという意識が働くんですよね。
ただインドネシアで現地法人のトップに立ったときに、厳しい経営状態を前に、果たしてそれで良いのか、かなり迷ったんです。ヒトを切るとか、ガツンと言うとか、冷酷なマネジメントが必要ではないのかとかなり迷いましたね。ただ、最終的には、そういったマネジメントをするならば、他の人でも良いのではないか、自分は自分の持ち味でやろうと覚悟を決めて、そのスタイルで、先ほど話したように立て直しには成功したんですよね。その時から、これからもずっと良い人であり続けようと決めたんです。変なことを言っているようですが、これ、自分にとってはすごく大切なことなんです。
ただ、鎌倉新書で葬祭事業部の部長になって、業績が伸び悩んでいるときがあって、そのとき執行役員の岩﨑さんに呼び止められて、「藤井さんの良さって、明るさとか、前向きさとか、人を動かすところなのに、業績悪くなったら、それが出てないよね」と言われたことがあったんです。その時ハッとなって、自分の芯が揺らぐことがあるんだと気づいて。良い人であり続けること、自分の良さを出し続けることを、それまで以上に意識するようになりましたね。
これから終活の領域はもっと広がって、終活はもっとメジャーになっていくと思うんですよね。
でも、メジャーになるとお金への不安が生じてきます。例えば生前領域においても、介護施設への入居やモノの整理、財産の整理、墓じまい…などいろいろな終活シーンへの備えが必要になってきます。そんなときに、その備えの第一歩がベル少短だったらいいなと考えています。ベル少短で終活に保険をかけてお金の心配をなくしてから、ゆっくり終活のことを考えていただけたらと。
一昔前に比べると、終活ってお金がかかるようになってきていると思います、ベル少短のこれまでの打ち出し方は葬儀への備えでしたが、今後は様々な終活シーンに広く対応できる保険商品としてプロモーションを進めていきたいと考えています。